日本老年看護学会第13回学術集会特集 シンポジウム
急性期病院における摂食・嚥下障害高齢者へのベストプラクティス
直井 千津子
1
1金沢医科大学病院
pp.40-44
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
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はじめに
人口の高齢化に伴い,脳血管障害等の摂食・嚥下障害の原因疾患への罹患率の増加,加齢による嚥下機能の低下といった背景から,摂食・嚥下障害患者は今後ますます増加することが予測されている.急性期病院においては,疾患や廃用性などによりいったん障害された摂食・嚥下機能の回復や再構築を図るために,リスクアセスメントや適切な訓練を早期から開始することがその後の予後に影響するため,看護師の果たす役割は大きいといえる.
しかし,実践現場では摂食・嚥下障害患者の看護に主体的に取り組んでいる看護師はまだ少なく,医師や言語聴覚士の指示に従っているという現状がある.人が人らしく生きるために重要な「口から食べる」ためのケアは従来から看護の役割であり,そのことを実践するにはどのような看護援助が必要かを明らかにしたいと考え,修士論文で経口摂取を可能にする援助指針の作成(直井,2007)に取り組んだ.今回はその中の事例(表1)を紹介しながら,急性期病院における摂食・嚥下障害高齢者のベストプラクティスについて考えていく.
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