日本老年看護学会第11回学術集会特集 シンポジウム
急性期医療における高齢者ケアの専門性
粟生田 友子
1
,
沼本 教子
2
1新潟県立看護大学
2神戸市看護大学
pp.19-20
発行日 2007年3月15日
Published Date 2007/3/15
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- 文献概要
介護保険,医療保険制度が改正されるなか,高齢者の入院治療は厳しい状況を迎えている.また,一般病院の入院患者総数に占める高齢者比率の高さも注目すべき状況にある.ことに近年,後期高齢者に対しても負荷の大きい検査,手術,治療が頻繁に行われるようになってきているが,高齢者がひとたび急性期医療の場に患者としておかれるとき,そこにはさまざま高齢者特有の課題が浮上する.
急性期医療における高齢者ケアにおいては,高齢者自身が併せもつ加齢現象やさまざまな健康問題に対して,ホリスティックな臨床判断が必要とされている.入院の引き金となった病態に対する身体管理のみならず,負荷の大きい検査,手術,治療によって引き起こされる心身の反応や不適応状態,身体の少ない予備力の結果生じる二次的な合併症などなど課題は散在する.これらの状況を踏まえて,第11回学術集会のシンポジウムでは,「急性期医療における高齢者ケアの専門性」をテーマに3人のシンポジストをお迎えした.須釜淳子氏には「入院中の高齢者のエビデンスに基づいた褥瘡予防対策」,綿貫成明氏には「高齢者のせん妄の予測・予防とケア─その根拠と対策」,道又元裕氏には「高齢者の重症集中ケア実践と今後の展望」という内容で発表していただいた.それぞれの方の発表内容は,以降の頁の特集記事としてまとめられている.シンポジウムの発表とその後の議論をとおして,座長としての「まとめ」を以下のようにしてみた.
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