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特集 高齢者の精神科救急・急性期医療
精神科病院における高齢者の精神科救急・急性期医療
Psychiatric Emergency and Acute Management for Elderly Patients in Psychiatry Hospital
中村 満
1
Mitsuru Nakamura
1
1成増厚生病院
1Narimasu Kosei-Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
Elderly patient
,
Psychiatric emergency
,
Acute management
,
Physical complication
,
Community healthcare
Keyword:
Elderly patient
,
Psychiatric emergency
,
Acute management
,
Physical complication
,
Community healthcare
pp.1039-1048
発行日 2019年9月15日
Published Date 2019/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205898
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抄録 高齢者の精神科救急・急性期医療における課題とその方策を検討するために,精神科病院の精神科スーパー救急病棟での実態を調査した。高齢者は全体の約20%であり,診断はF3,F2,F0の順で多く,状態像として幻覚妄想状態とうつ状態,問題行動として自殺企図・希死念慮や暴言・暴力が多くみられた。80%に身体合併症を認め,11%が専門的治療のために転院していた。全体の1/3が独居で,半数が社会資源を利用していなかった。入院期間は非高齢者と比較して優位に延長しており,身体合併症と支援不足が原因と考えられた。長期化を防ぐためには,入院直後から退院後の生活を視野に入れ,病院の内外の多職種と協同し,医療,介護,福祉の包括的な支援を計画的に行う必要がある。精神科病院は,これらの連携を通して,「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の欠くことができない地域の一員として,患者を支えていく責務がある。
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