高度の診断的気管支鏡の可能性

Advanced Diagnostic Bronchoscopy

はじめに

　肺癌の診断などにおける気管支鏡の最近の進歩¹⁾は著しい．本稿では高度の診断的気管支鏡の可能性について述べる．例えば，中心型肺癌では蛍光観察(autofluorescence imaging；AFI)²⁾，狭帯域光観察(narrow band imaging；NBI)³⁾による蛍光減弱や点状・ループ様血管などを認めるなどの局在診断後に，腫瘍が軟骨輪を越えているかどうかなどをみる気管支腔内超音波断層法(endobronchial ultrasonography；EBUS)による深達度診断^4,5)の結果により，光線力学治療⁶⁾や外科切除の適応が検討される．末梢型肺癌では肺末梢結節に対する超音波ガイドシースによるEBUS-GS(EBUS guide sheath)⁷⁾やバーチャル気管支鏡ナビゲーション(virtual bronchoscopic navigation；VBN)⁸⁾併用，淡いスリガラス様陰影(ground glass opacity；GGO)には肺胞構造診断に生体内共焦点顕微内視鏡 (alveoscopy)，病期診断のため縦郭肺門リンパ節転移に超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS guided trans-bronchial needle aspiration；EBUS-TBNA)⁹⁾などを駆使して診断し，外科切除や放射線治療の適応が検討される．