Japanese
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特集 ベンゾジアゼピン受容体作動薬の問題点と適正使用
ベンゾジアゼピン受容体作動薬と転倒,骨折
Benzodiazepine Use and Risks of Falls and Fracture
小川 純人
1
Sumito Ogawa
1
1東京大学大学院医学系研究科老年病学
1Department of Geriatric Medicine, Graduate School of Medicine, The University of Tokyo, Tokyo, Japan
キーワード:
多剤併用/ポリファーマシー
,
polypharmacy
,
ベンゾジアゼピン
,
benzodiazepine
,
転倒
,
fall
,
骨折
,
fracture
Keyword:
多剤併用/ポリファーマシー
,
polypharmacy
,
ベンゾジアゼピン
,
benzodiazepine
,
転倒
,
fall
,
骨折
,
fracture
pp.409-414
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206044
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抄録 高齢者では,身体機能や臓器機能の低下や疾患数・薬剤数の増加などを伴う場合が少なくなく,こうした加齢に伴う種々の要因によって薬物有害事象やポリファーマシーを認めやすく,QOLや生命予後にも大きな影響を及ぼす可能性が指摘されている。また,わが国では不眠や不眠症の増加が認められており,不眠症治療に際して睡眠薬が用いられることが少なくない。その一方で高齢者の場合にはベンゾジアゼピン受容体作動薬は転倒・骨折,認知機能低下,日中倦怠感などのリスクファクターとなり,寝たきりや要介護の要因にもなり得ることから,原則的に高齢者に対するベンゾジアゼピン受容体作動薬の使用はできるだけ減らすか,控えたほうがよいとされる。本稿では,高齢者を中心としてベンゾジアゼピン受容体作動薬と転倒,骨折との関連性について取り上げ,高齢者疾患の特徴や薬物療法の課題,およびガイドラインなどに準拠した適切な高齢者薬物療法を含めて概説する。
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