Japanese
English
研究ノート
高齢者が支援を受けて自分史を記述することの心理社会的発達への影響
Effectiveness of Autobiography in Support of the Psychosociological Development of the Elderly
沼本 教子
1
,
原 祥子
1
,
浅井 さおり
2
,
柴田 明日香
3
Kyoko Numoto
1
,
Sachiko Hara
1
,
Saori Asai
2
,
Asuka Shibata
3
1神戸市看護大学
2天使女子大学看護栄養学部看護学科
3兵庫県立大学大学院看護学研究科修士課程
1Kobe City College of Nursing
2TENSHI COLLEGE, School of Nursing and Nutrition, Department of Nursing
3Graduate School of Nursing, College of Nursing Art and Science, Hyogo
キーワード:
心理社会的発達
,
自分史
,
日本語版E.H. エリクソン発達課題達成尺度
,
日本版GHQ28
,
psychosociological development
,
autobiography
,
E.H.Erikson's developmental task achievement scale in Japanese
,
Japanese version of GHQ28
Keyword:
心理社会的発達
,
自分史
,
日本語版E.H. エリクソン発達課題達成尺度
,
日本版GHQ28
,
psychosociological development
,
autobiography
,
E.H.Erikson's developmental task achievement scale in Japanese
,
Japanese version of GHQ28
pp.54-64
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
本研究は,高齢者が看護者からの支援を受けて「自分史」を記述することにより,どのような心理社会的発達を経験していくのかを明らかにし,老年期における心理社会的健康を維持していくための看護援助として,自分史の記述を支援する意義について検討することを目的とする.有料老人ホームに入居している協力の得られた65歳以上の4名の高齢者を対象に著者の考案した「自分史プログラム」を実施し,その介入前後で得られたインタビューデータと日本語版E.H.エリクソン発達課題達成尺度および日本版GHQ28を用いて,プログラム開始前と終了後の変化を検討した.プログラム介入前後の発達課題達成度,GHQ28でみた心理社会的健康状態はどちらも改善傾向を示していた.また,プログラムの面談を利用しながら人生の軌跡を振り返り記述することによって,終了後「重要他者の存在」に気づく,夫の死の悲嘆を克服し「人生のまとめ」を考え始める,家族に対する「赦(ゆる)す感情」を見出す,生きる限り「挑戦する」など,それぞれがこれまでの人生を再評価し,新しい人生の目標を見出しており,自分史を記述することの効果があったことを示唆していると考えられた.
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