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研究ノート
介護老人保健施設利用者のライフストーリーをケアスタッフが聴き取ることの意味─ケアスタッフの高齢者およびケアに対する認識の変化に焦点を当てて
The Meaning of Listening to a Life Story of Elderly in Geriatric Health Service Facility:Change in Care Staff's Cognition for Elderly and Care
原 祥子
1
,
小野 光美
2
,
沼本 教子
2
,
井下 訓見
3
,
河本 久美子
4
Sachiko Hara
1
,
Mitsumi Ono
2
,
Kyoko Numoto
2
,
Kunimi Inoshita
3
,
Kumiko Kawamoto
4
1島根大学医学部看護学科
2神戸市看護大学
3神戸社会保険介護老人保健施設
4社会保険神戸中央病院
1Shimane University Faculty of Medicine School of Nursing
2Kobe City College of Nursing
3Kobe Social Insurance Geriatric Health Service Facility
4Social Insurance Kobe Central Hospital
キーワード:
ライフストーリー面談
,
高齢者
,
ケアスタッフ
,
認識の変化
,
life story interview
,
elderly
,
care staff
,
change in cognition
Keyword:
ライフストーリー面談
,
高齢者
,
ケアスタッフ
,
認識の変化
,
life story interview
,
elderly
,
care staff
,
change in cognition
pp.21-29
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
本研究の目的は,介護老人保健施設における高齢者のライフストーリーをケアスタッフが聴き取ることを通して,ケアスタッフの高齢者およびケアに対する認識がどのように変化するのかを明らかにすることである.対象は,受け持ち高齢者とライフストーリー面談を実施したケアスタッフ8名で,非指示的インタビューによってデータ収集し,ケアスタッフの変化をあらわしている特徴的な発言内容をカテゴリー化し,カテゴリー間の関係性を検討した.
ケアスタッフの変化は6つのカテゴリーに分類され,《その人がよくわかる》ことによって,《その人への関心が高まる》という変化が生じていた.ライフストーリーを聴くという関係性が成立した体験はケアスタッフの《自信が深まる》という変化をもたらし,ケアが《丁寧な関わりになる》と認識され,《他の高齢者に対する認識が変わる》ことにもつながっていた.ライフストーリー面談を通して《関わることの楽しさ・喜びを実感する》ことは,これらの変化を生み出す基盤になっていると考えられた.
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