Japanese
English
実践報告
痴呆性高齢者の生活史構成とそのケアへの活用の試み
A Preliminary Study to Record a Personal Life-history of Dementia Patient and Seeking for a New Tool for Dementia Care
六角 僚子
1
Ryoko Rokkaku
1
1痴呆ケア研究所
1The Institute of Dementia Care
キーワード:
痴呆性高齢者
,
生活史
,
生活史構成
,
ケア
,
dementia patient
,
a personal life-history
,
record a personal life-history
,
care
Keyword:
痴呆性高齢者
,
生活史
,
生活史構成
,
ケア
,
dementia patient
,
a personal life-history
,
record a personal life-history
,
care
pp.127-136
発行日 2003年3月15日
Published Date 2003/3/15
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
本研究の目的は,痴呆性高齢者を対象に生活史の聞き取りとその作品化の試み,さらにその結果のケアへの活用を試みることである.対象者は老人保健施設に入所する78歳の脳血管性痴呆の女性(HDR-S7点,2002/3)であり,記憶障害や見当識障害が顕著で,落ち着かず「どうしたらいいかわからない」と常に他者に話しかけている.2002年4月から1か月半,それぞれ約30分程の面接を計12回行った.調査方法は,生活史の整理,トピックスによる生活史構成,準拠する年齢の検討,ケアヘの活用の具体策検討とした.これら生活史の構成を通し,次の5つの視点,①農業とのかかわり,②Y氏の言う性分,③農家の女性として長く生きてきたこと,④感情を湧き起こすこと,⑤準拠年齢の存在,これらをケアに活用することを試みた.結果,Y氏の不安定な状態が軽減するとともに他者にも関心をもつなどの変化がみられ,痴呆性高齢者に対するケア実践という面では生活史の有効性を示し得たと考えられる.
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