Japanese
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実践報告
アクティビティという視点がもつケアの有効性—痴呆性高齢者ケアの実践から
Effects of Activity Care on Dementia
六角 僚子
1
Ryoko Rokkaku
1
1常磐大学大学院博士後期課程
1Graduate School of Tokiwa University
キーワード:
アクティビティケア
,
痴呆性高齢者
,
ケアプラン
,
activity care
,
dementia
,
care plan
Keyword:
アクティビティケア
,
痴呆性高齢者
,
ケアプラン
,
activity care
,
dementia
,
care plan
pp.114-122
発行日 2001年11月1日
Published Date 2001/11/1
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
「アクティビティケア」(以下,AC)という視点から痴呆性高齢者のケア実践を1年間試み,その有効性を見てきた結果,以下のことが確認された.
1)高齢者のアセスメントを重視したACの提供の結果,AC時のみならず日常生活全般での社会的交流能力やIADLを引き出し,日常生活自立度が改善された.2)そのことが,グループACにおいても対象者を取り囲む他の高齢者にもプラスの影響を与え,それぞれの社会的交流能力が引き出された.3)継続的なACの提供とそれに対する評価により,対象者にとって意味のある/ないACサービス項目をふるい分けることが可能であることが示唆された.4)対象者の変化が,ケアスタッフのケアに取り組む姿勢を積極的にするなど,ケア提供者と対象者との相互作用が両者の態度変容を生み出していることが確認された.
以上から,ACに焦点を当てたケアプランの策定とそれに基づいたケア実践は,痴呆性高齢者の日常生活機能の改善,社会的交流能力や生活意欲の向上に対して有効であるばかりでなく,看護・介護職者らのケアの質の改善意欲の昂進にもつながっていく可能性も示唆された.
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