Japanese
English
研究ノート
老年期痴呆患者への手のマッサージの試み
Using Hand Massage as Nursing Interventions for Elderly Patients with Dementia
得居 みのり
1
,
水谷 信子
2
Minori Tokui
1
,
Nobuko Mizutani
2
1兵庫県立高齢者脳機能研究センター附属病院
2兵庫県立看護大学
1Department of Nursing, Hyogo Institute for Aging Brain and Cognitive Disorders
2Department of Gerontological Nursing, Graduate School of Nursing, College of Nursing Art and Science, Hyogo
キーワード:
老年期痴呆患者
,
手のマッサージ
,
リラクゼーション
,
人間的疎通性
,
dementia patient
,
hand massage
,
relaxation
,
human communication
Keyword:
老年期痴呆患者
,
手のマッサージ
,
リラクゼーション
,
人間的疎通性
,
dementia patient
,
hand massage
,
relaxation
,
human communication
pp.92-98
発行日 2001年11月1日
Published Date 2001/11/1
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
本研究の目的は,「手のマッサージ」が日本の老年期痴呆患者においてリラクゼーションを促す効果があるかどうか,また,その経過にはどのような状態がみられるのかを明らかにすることである.精神病院痴呆棟に入院中の重度老年期痴呆患者6名を対象に,1日1回,10分間(片手5分ずつ)の手のマッサージを,10日間連続して行い,そのリラクゼーション効果を,リラクゼーションチェックリストにて評価した.また,マッサージ施行中の対象者の状態を帰納的・記述的に分析した.
手のマッサージは日本の老年期痴呆患者にリラクゼーション状態を促す看護援助として有効であることが示された.また,マッサージの成果をあげるためには,環境の設定や対象者の状態の見極めが必要であると思われる.手のマッサージの中の「手に触れる」「繰り返し同じことをする」などの要素が,対象者のもっている能力や感覚を引き出し,対象者の人間的疎通性を快復させていると思われた.
今後の課題として,手のマッサージのリラクゼーション効果が老年期痴呆患者の睡眠導入や,「落ち着かない状態」の改善に利用可能かどうか,検討していくことがあげられる.
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