調査報告
障害児とその家族への援助について—保健婦の役割を追求して
島本 容子
1
,
武田 佐登子
2
,
中 佐恵子
3
,
中井 美也子
4
,
橋口 正子
5
,
平岡 弘美
6
,
山本 和子
7
,
津村 寿子
8
1大阪府立布施北高等学校
2福岡県遠賀保健所
3大阪府貝塚市役所
4大阪市立大学公衆衛生学教室
5摂津市立味舌小学校
6大阪府池田保健所能勢支所
7大阪医科大学衛生学公衆衛生学教室
8大阪府立公衆衛生専門学校
pp.305-314
発行日 1981年4月10日
Published Date 1981/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206366
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I.はじめに
近年わが国においても,心身障害に関することが医学上のみならず,大きな社会問題となっている。しかし,障害児およびその家族のもつ問題は,障害部位,障害程度,その他主症状などが異なるため千差万別であり,福祉行政サイドや公衆衛生行政的サイドでの取組みが活発となった今日においても数多くの解決されないものがある。また,障害児およびその家族への援助方法について,一般化・体制化されていないため,保健婦などとのかかわり合いも少なく,公衆衛生看護活動が十分にはなされているとはいえないと考える。
そこで私どもは,障害児の日常生活の実態を知り,障害児とその家族の要望も合わせ,障害児とその家族が真に必要としていることは何かを考え,援助していくなかで保健婦の役割として,①知識の普及,②家庭における看護技術の提供と指導,③障害児とその家族への精神的支援,④障害児とその家族の健康管理,⑤障害児およびその家族に対する社会資源の活用という5項目を設定し,明確にすることを目的とし,調査を行った。
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