Japanese
English
巻頭言
老年看護における高齢者観の再考
Rethinking about Images of the Elderly in Gerontological Nursing
奥野 茂代
1
Shigeyo Okuno
1
1長野県看護大学
1Nagano College of Nursing
pp.5-12
発行日 2002年11月1日
Published Date 2002/11/1
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
高齢者観(イメージ)は,老年看護に携わる看護職者の看護に取り組む姿勢を形成する源となり,看護の質・内容に影響を及ぼすと考えられ(大谷ら,1995)ている.高齢者観がその人の思考の枠組みを形成し,それがその人の行動を規定して,看護ケアの質,内容に影響するであろうと,うなずける.高齢者との接触が少ない看護学生の場合は,未知なる存在として高齢者に対するイメージが不鮮明のままであると,コミュニケーションやかかわりが困難になると推察される.そのために看護学基礎教育課程の老年看護学においては,看護学生の高齢者理解をうながすさまざまな授業が工夫展開されている.また看護職に限らず他の専門職における高齢者観は,サービスの質に影響すると考えられ,我が国において1950年代から重要な研究課題として取り組まれている(古谷野,1997).このように重要視されている高齢者観への関心は,老年看護においてどんな現状であるのかを知り,高齢者観について再考し私見を述べたい.
Copyright © 2002, Japan Academy of Gerontological Nursing All rights reserved.