焦点 実践に向けた高齢者ケア研究の方向性と課題
わが国における痴呆性高齢者のデイケアに関する研究の動向と課題
伊勢崎 美和
1
,
北川 公子
2
1老人保健施設蓮根ひまわり苑
2新潟県立看護大学
キーワード:
痴呆性高齢者
,
デイケア
Keyword:
痴呆性高齢者
,
デイケア
pp.379-388
発行日 2002年10月15日
Published Date 2002/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900689
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はじめに
デイケアとは,介護家族のレスパイトケアとしての機能とともに,痴呆性高齢者の身体機能の維持や痴呆症状の改善に貢献する役割を期待することのできるケア形態といえる。そのため,介護家族のデイケアに対するニーズは非常に高い。
しかし,高齢者を対象としたデイケアが登場したばかりの1980年代前半は,サービスメニューのいずれもが著しく不足していたため,痴呆性高齢者に焦点を当てたプログラムをもつデイケアはもちろんのこと,痴呆性高齢者を受け入れる施設さえわずかであった。このような状況は,1989年のゴールドプランを契機に変化し,デイケアの基盤整備は大きく前進した。それに呼応するように,デイケアにおける痴呆性高齢者の受け入れは徐々に拡大し,プログラムや個別ケアの質が注目されるようになってきた。
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