焦点 健康教育とヘルスプロモーション
健康教育におけるヘルスプロモーション
川田 智恵子
1
1岡山大学医療技術短期大学部
pp.447-451
発行日 1997年12月15日
Published Date 1997/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900420
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ヘルスプロモーションとは
ヘルスプロモーションについては,人により異なる定義やイメージがある。特にわが国においては,疾病をもっていない人,または軽症の慢性疾患患者の健康増進,特に体力の増進をイメージする人が多い。
ここで取り上げるヘルスプロモーションは,1986年WHOのオタワ憲章で定義されたヘルスプロモーションの考え方に端を発している。その『ヘルスプロモーションに関するオタワ憲章』では,ヘルスプロモーションの定義1)を「人々が自らの健康をコントロールし,改善することができるようにするプロセスである。人々が身体的,精神的,社会的に完全なウエルビーイング(良好な状態)に到達するためには,個人や集団が自己の目標(aspirations)を確認・実現でき,ニーズを満たすことができ,そしで環境を改善し,あるいは変えられない環境に対処することができなければならない。健康そのものは生きる目的ではなく毎日の生活の資源である。健康は身体的な能力であると同時に,社会的または個人的資源であることを強調する積極的な概念なのである。それゆえ,ヘルスプロモーションは保健部門だけの責任にとどまらず,健康的なライフスタイルをこえたウエルビーイングにもかかわるのである」としている。
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