Japanese
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総説
ハンセン病元患者の社会的ネットワークの構築と看護職が担うべき倫理的責務
Social Network Structures of Recovered Hansen's Disease Patients and Nursing Ethical Roles
吉澤 千登勢
1
Chitose YOSHIZAWA
1
1山梨県立大学看護学部
1Yamanashi Prefectural of University Faculty of Nursing
キーワード:
ハンセン病元患者
,
人権
,
差別
,
社会的ネットワーク
,
看護職の倫理的責務
Keyword:
ハンセン病元患者
,
人権
,
差別
,
社会的ネットワーク
,
看護職の倫理的責務
pp.1-8
発行日 2010年6月30日
Published Date 2010/6/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7009200038
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序論—ハンセン病の隔離政策が社会にもたらしたもの—
ハンセン病の隔離政策が廃止されて10年以上が経過した2008(平成20)年に、「ハンセン病問題基本法」(平成20年6月18日・法82)が制定され、①元患者が受けた身体及び財産、社会生活全般にわたる被害の可能な限りの回復、②療養所の社会化—所内の施設や診療所を地域住民に開放し、交流を通して差別や偏見のない社会的ネットワークを構築する—、③元患者の生活保証(在園保証)、④所内の医療体制の整備などが掲げられた。
看護界においても、2000(平成12)年以降、『看護者の倫理綱領』や『看護研究における倫理指針』などが整備され、患者の人権を尊重し、患者の多様な価値観を認識した上で、患者と向き合う姿勢の重要性などが謳われるようになった。また、看護教育の分野でも、2004(平成16)年に、「看護学の学士課程卒業時の看護実践能力の到達目標(看護学教育の在り方に関する検討会報告)」において、人権擁護を基本に据えた援助行動や利用者の意思決定を尊重した代弁者役割を遂行することができるなどの倫理的目標が示された。
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