Japanese
English
資料
統合失調症患者の怒りの経験についての検討
Experiences of Anger in Patients with Shizophrenia
渋谷 菜穂子
1,2
,
林 公子
1
,
小笠原 昭彦
3
,
五十嵐 慎治
4
Naoko SHIBUYA
1,2
,
Kimiko HAYASHI
1
,
Akihiko OGASAWARA
3
,
Shinji IGARASHI
4
1中部大学生命健康科学部保健看護学科
2名古屋市立大学大学院看護学研究科博士後期課程
3名古屋市立大学看護学部
4独立行政法人国立病院機構東尾張病院
1Department of Nursing College of Life and Health Sciences, Chubu University
2Graduate School of Nursing, Nagoya City University
3Nagoya City University
pp.26-38
発行日 2009年12月30日
Published Date 2009/12/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7009200033
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
要旨
統合失調症患者の怒りの原因と対処法を具体的に明らかにすることを目的に、当事者7名に対して半構成面接を行い、語られた怒りの経験について分析した。その結果、統合失調症患者が怒りを感じる経験として3つのカテゴリー・5つの概念に分類された。カテゴリー1:他者の言動によって喚起させられる怒り(概念1:プライドを傷つけられたと感じた時、概念2:周囲の無理解を感じる時)、カテゴリー2:人以外の環境に関する怒り(概念3:周囲の人々のマナー違反、概念4:制度や法律(自分に関係のある事柄)に対する関心と不満)、カテゴリー3:その他(他者・環境以外の対象に関する怒り)(概念5:妄想/幻聴に基づく言動)、である。
これらの怒りに対して、各対象者たちは自分にあった対処法を身につけており、それらの多くは建設的な反応であった。対象者たちには、統合失調症患者が持つ融通の利かなさや幻聴/妄想など特有の症状はあるものの、怒りの対象との関係性の認知によっても怒りの表出は異なるのではないかと考えられた。
Copyright © 2009, Japan Society of Nursing and Health Care All rights reserved.