Japanese
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巻頭言
災害時の「こと」のマネジメント
Emergency Management
筧 淳夫
1
Atsuo Kakehi
1
1工学院大学建築学部
pp.1
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7008200424
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本年2月の豪雪の際に、某パンメーカーのトラック運転手が高速道路のサービスエリアで立ち往生し、周囲のドライバーらに積み荷のパンを無償で配っていた。同じ時に福島郊外の国道では立ち往生した車のドライバーに、近隣の仮設住宅に暮らしていた住民らがおにぎりを作って配っていた。これまでの災害においても、同様の助け合いの事例は見聞きしていたし、報道やSNSで情報が拡散されていない事例が数多くあったのだろう。
ところで、高齢者介護の世界では、数年前から高齢者が可能な限り住み慣れた地域で生活を継続することができるように、地域包括ケアシステムの検討が進められている。このシステムの骨格となる考え方に、「自助・互助・共助・公助」が位置づけられている。自分のことを自分で行い、自ら健康管理を実施する「自助」、ボランティア活用や住民組織の活動によって支えられる「互助」、社会保障制度により構成される「共助」、税金を投入し生活保護・人権擁護などを行う「公助」によるシステムである。さしずめ冒頭の事例は「互助」に位置づけられるのだろうか。
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