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委員会報告
発展的な学術論文の創造を目指して─質的研究論文作成・査読能力を高める
Aiming at the Creation of Constructive Research Articles : In Order to Heighten Creation of a Qualitative Research Articles and Refereeing Capability
廣瀬 規代美
1
,
浅野 美知恵
1
,
片岡 純
1
,
瀬山 留加
1
,
平井 和恵
1
,
森本 悦子
1
,
徳世 良重
1
,
神田 清子
1
,
鈴木 志津枝
2
Kiyomi Hirose
1
1日本がん看護学会編集委員会
2日本がん看護学会
pp.79-83
発行日 2013年5月25日
Published Date 2013/5/25
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
はじめに
今年で27年目を迎えた日本がん看護学会は会員数が約5,100名となり,わが国のがん研究の発展・がん対策の推進への寄与など,活躍の場は拡充している.現在,看護系大学数は209,看護系大学院数は,修士課程147,博士課程711)にのぼる.この看護系大学院数の増加は,大学や臨床現場で培った知識や技術を基盤に,さらに専門分野における高度な実践能力や研究能力を兼ね備えた人材を輩出する.同時に,日々の実践や教育における課題を基盤にした研究を通じて,がん看護の質の向上に貢献している.このような背景の中で,研究と実践の連関を目指し,学術論文の投稿数はますます増加傾向にある.
一方,編集委員会作業において,査読者の論文種類の判断が大きく異なる場合や論旨の一貫性の欠如など,査読基準や論文作成上の課題が認められた.
そこで,査読視点の統一や論文精度の向上を目的に,平成23年度から編集委員会の新たな取り組みとして,査読者やこれから論文を投稿しようと考えている会員を対象に,「発展的な学術論文の創造を目指して論文作成や査読能力を高める」を主たるテーマとした研修会を開催2)し好評を得た.
今年度は,編集委員会の作業の中で,査読者から原著掲載に向けたハードルとして多く指摘される①論理的一貫性の欠如,②研究方法の信頼性・妥当性に対する疑問,③結果・考察の飛躍などの改善を意図した研修会を開催した.ここでは,「今,がん看護に求められる論文─質的研究論文作成・査読能力を高める─」をテーマとした講演内容を中心に報告する.
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