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Ⅰ.はじめに
近年,看護系の学会は多くなっており,専門分化が進んでいる一方,看護学の学術的発展のためには,そこに関わる研究者全体としての組織的充実が不可欠との考えから2001年9月に「日本看護系学会協議会」が設立され,2007年3月現在32学会によって組織され交流が図られている1).各学会は独自性とともに看護としての協調性が求められている.
がん罹患者や死亡者が増加し,国を挙げての対策に邁進している中で,日本がん看護学会はがん看護分野の研究,実践そして教育をリードしていく役割があることは周知のとおりである.本学会は会員が2012年約5,100人にのぼり,会員の増加とともに投稿数も増加し,2009年から学会誌の発刊は年3回に変更になっている.会員はがん看護の質を向上させるため日々の実践や教育の中で生じた疑問を追究し,学術論文として投稿してきている.大学院の増加もまた学術誌への投稿数上昇に拍車をかけている.
今期の編集委員会では,編集委員の作業を行う中で,査読者の論文種類の判断が大きく異なる場合や,逆に査読者が指摘する内容が同じような傾向が認められ,これらの事柄を改善する方法はないかと模索していた.本学会は臨床の実践家も多く,実践に役立つ教育研修が数多く企画・実施され,成果をあげている.しかし,研究に関する教育研修はなく,学会員のニーズもあること,投稿論文数が増加し論文掲載までの道のりを理解していただく必要性も感じていた.そこで2011年,編集委員会活動の新たな取り組みとして,査読者やこれから投稿しようと考えている会員を対象に発展的な学術論文の創造を目指して論文作成や査読能力を高めることを意図した研修会を開催したところ高い評価を得た.ここでは研修会での講演内容と2007〜2010年の投稿論文および学会誌掲載論文を分析し紹介した内容の一部を報告する.
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