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Ⅰ.はじめに
リンパ浮腫は,がん患者の治療後の後遺症としても難治性が高く,患者にとっては腕や足の重だるさや外見上の問題などQuality of Life(以下,QOL)に大きな影響を与える対処困難な症状である10).
近年リンパ浮腫に対して,複合的理学療法の効果を実証した研究が国内外で報告されている2)3)5)7)9)11).これは,専門的な理学療法の技術を有する者が患者に実施すれば効果的である12)13)が,患者自身のセルフケアで継続的に行わないとその効果を持続させることは困難である.また,施設内で専門的な理学療法技術を提供するには人材面や時間的な制限があるのが現状である.
患者のセルフケア能力に働きかけ,「知識・技術・サポート」を提供し,リンパ浮腫の軽減をみた先行研究では,対象者が少なく5),集団に働きかけるようなプログラムは開発されていない.そこで,患者集団に対して,患者のセルフケア能力を強化させ,患者自身が継続的に自宅で行えるような複合的理学療法のプログラムの開発が必要である.患者が継続的に実施できるようにするには,複合的理学療法に対する簡便な実施方法の工夫が必要である.本研究は,先行研究を参考に5),集団に対する教育的介入を中心とした看護師によるプログラム(以下,これを「リンパ浮腫セルフケア支援プログラム」と称する)を考案した.開発した「リンパ浮腫セルフケア支援プログラム」により,リンパ浮腫が減少するという身体機能の改善だけでなく,患者自身のセルフケア能力が高められる可能性があり,患者のQOLの向上に大きく寄与すると考えられる.
よって,患者のセルフケア能力に働きかけた「リンパ浮腫セルフケア支援プログラム」を開発し,リンパ浮腫の軽減と患者のセルフケア能力の向上という効果がみられるかを判定することを本研究の目的とする.
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