巻頭言
学術誌のあり方をめぐって
上泉 和子
1,2
1日本看護科学学会
2青森県立保健大学
pp.1
発行日 2013年9月20日
Published Date 2013/9/20
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- 文献概要
2011年の夏を間近にした6月に,日本看護科学学会誌の編集委員長を拝命し,31巻3号の発行から2年間にわたって担当させていただきました.この間に本学会の30周年記念号の発刊や,電子ジャーナル化への道筋をつけることができたことなど,多くの機会にめぐまれ,かつ滞りなく終わることができたのは,編集委員の方々をはじめ会員の皆様のご支援があってのことであり,心から感謝申し上げます.先日,次期の編集委員長への引き継ぎをしましたが,纏めの資料を改めて読み返してみて,学術誌をいかに適切に運営するか考えさせられるところがあり,気がつくままに綴ってみます.
まず,オープンアクセスと早期公開によって広がる情報をどう活かすか,という点です.本学会誌が冊子体からオンライン版になることは,一刻も早く業績として公表されることを願う著者の期待におおいに貢献できるものです.学術誌のデジタル化は冊子体では制限されていたカラー媒体や動画の利用も可能となり,読者に伝える論文の有り様も変わってくるものと思われます.また,本学会はオンライン文献ダウンロードサービスを提供する2社と契約をしましたので,さらに読者の広がりが期待されます.今後は公表された知識が多くの場で議論され,次の研究に活かされるためのロードマップを描くことが課題ではないでしょうか.
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