Japanese
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看護倫理検討委員会報告
薬害エイズ問題に関する看護職の倫理的認識と対応の実態
Ethical Problems in Nursing: Recognition and Professional Conduct, as a Nurse, Regarding HIV Infection of Patients Due to Blood Products
堀井 理司
1
,
高谷 嘉枝
1
,
森 恵美
1
,
安藤 広子
1
,
太田 喜久子
1
,
岡谷 恵子
1
,
片田 範子
1
,
勝田 仁美
1
,
川村 佐和子
1
,
土居 洋子
1
,
中西 睦子
1
,
南 裕子
1
1日本看護科学学会 看護倫理検討委員会
pp.69-75
発行日 1997年12月10日
Published Date 1997/12/10
- 販売していません
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はじめに
1982年7月16日,MMWR(Morbidity and Mortality Weekly Report)に「3名の血友病患者がカリニー肺炎を発症し,血液製剤を介した伝播の可能性がある.」と報告された1)。それ以来,当時の凝固因子非加熱製剤のHIV感染の危険性に関する情報が一般社会にも流れる中,薬害エイズの実態が明らかになってきた.そして,今日,日本では薬害エイズ問題において製薬会社,医師,厚生省の法的責任が追求され,倫理的側面を含めた社会問題としてクローズアップされている.このような状況において,当時の凝固因子非加熱製剤の投与に関わった看護職のみならず,投与に関わらなかった看護職も倫理的ジレンマを感じていると考えられる.そこで,薬害エイズ問題に関して看護職の倫理的問題を整理し,看護職の倫理的ジレンマや投与に関わった看護職のジレンマの克服状況を明らかにし,看護職をバックアップするためのサポート体制とは何かを探る必要があると考えられる.今回は第一段階として,看護専門職集団を対象に,薬害エイズ問題の倫理的問題に関する看護職としての認識や対応およびジレンマの状況の確認をはじめとし,さらに,投与に関わった看護職に関しては,当時の認識や対応,ジレンマの状況,それからの克服状況を明らかにすることを目的に調査を行った.
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