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第22回日本看護科学学会学術集会 シンポジウムⅡ
質的研究はどのように看護実践を変えるか?
How does Qualitative Research Change Clinical Practice ?
井上 智子
1
,
筒井 真優美
2
,
田中 美恵子
3
,
戈木クレイグヒル 滋子
4
,
秋元 典子
5
1東京医科歯科大学
2日本赤十字看護大学
3東京女子医科大学看護学部
4東京都立保健科学大学
5岡山大学
pp.56-64
発行日 2003年6月30日
Published Date 2003/6/30
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- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
看護に質的研究が登場してからかなりの時間が経過した.本学術集会でも質的研究の占める割合が年々増加している.質的研究にまつわる当初の疑問,例えば研究結果に再現性はあるのか,妥当性・信頼性の確保は,少数例から何が言えるのか等々は,時に人や場所を選んで,あるいは常に説明を求められているのが実情とも言える.しかし,これら研究の方法論に関する論議は,何も質的研究のみの問題ではなく,研究に携わる者すべてが追求し続けていかなければならない課題であろう.
一方で,質的研究が持つ奥深さ,看護課題への親和性,得られた結果への納得,そして何より質的研究体験が研究者にもたらす様々な変化や気づきが,看護職者を引きつけて止まないのも事実である.さらに現在では,質的研究の成果の還元が求められている.研究成果の還元とは,一義的にはいわゆるケアの根拠としてのエビデンスとしての価値を指すのであろうが,看護における質的研究はそれにはおさまりきれない何かを秘めている.
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