講座 質的研究・2
質的研究の実践に向けて
星野 晋
1
Hoshino Shin
1
1山口大学医学部医療環境学講座
pp.120-125
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100777
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近年,保健医療分野では臨床の現場における「気づき」,「疑問」に応えてくれるかもしれない手法として質的研究への関心が高まっている.自分が直接見,聞き,感じ取ることで得られる豊富な情報を活用しうる形に整えていく方法,そこで得られたことを他のセラピストや研究者と共有できるようにする研究手法が質的研究なのである.
しかし,いざ質的研究を学ぼうとすると,多種多様な流派,研究者の主観と客観の問題,難解な認識論上の議論など様々な壁に出会う.実はこうした問題や議論の中には,実際に質的研究を試しているうちに,そして研究者間のやりとりの中で,その意味や必要性がわかってくるものが多い.だからまずは豊かな情報の海にこぎ出してほしい.
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