焦点 参加観察法トレーニング―データの収集・分析の実践を通して
質的研究方法ゼミの基盤
戈木クレイグヒル 滋子
1
1東京都立保健科学大学保健科学部
キーワード:
質的研究方法
,
参加観察法
,
prounded theory approach
,
データ分析
,
概念
Keyword:
質的研究方法
,
参加観察法
,
prounded theory approach
,
データ分析
,
概念
pp.3-14
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100001
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はじめに
2004年はじめに,ゼミの状況を紹介してはどうかと誘われた時,まだ未完成のゼミを公開することに,どのくらいの意味があるのだろうかという迷いがありました。しかし最終的に,私たちのゼミを教育の一例として提示することが,質的研究方法の教育についての議論のきっかけになることを期待して,この企画を受けることにしました。
看護学を構築するために研究成果の蓄積が不可欠であることはいうまでもありませんが,研究方法という基盤なしに,よい成果が生まれるとは期待できません。しかし,これまでに質的研究方法をどう教えるかについて,具体的な検討材料をもとにした議論が行なわれてきたでしょうか? 質的研究方法が正しく理解された上で,それらをもとにした研究が蓄積され,発展していくためには,具体的なレベルでの議論をふまえて適切な教育方法を編み出すことが必要ではないかと考えます。
幸い,大学で一緒に小児看護学を担当してくれている講師や助手の先生方もゼミに協力的でしたし,この号で分担執筆している2人の院生たちもノリがよいので,じゃあやってみようかと話がまとまりました。ゼミに参加する学部生たちも,おもしろそうだと了解してくれ,ゼミの場でのMD録音を始めました。
繰り返しになりますが,現時点で私たちが行なっている方法がベストだと思っているわけでも,唯一の形だと思っているわけでもありません。むしろ,私たち自身,さらによい方法に向かっての模索を続けたいと思えばこそ,あえてありのままの姿を提示しました。読者の皆様が,ご自身の教育実践とつきあわせた時にどうお考えになるのか,その反応に期待したいと思います。
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