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第27回日本看護科学学会学術集会 教育講演
日常診療の中で遭遇する貴重例を看護の専門化に生かす
Tertiary Primary Care in Advanced Nursing: Nursing is “UMAMI”in Health Care
余 善愛
1
Yeo, SeonAe
1
1ノースカロライナ大学チャペルヒル校看護学
pp.62-66
発行日 2008年3月20日
Published Date 2008/3/20
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「看護の専門化に生かす」とは何を意味しているのでしょうか?ここで言う「看護」とは,看護職,特に看護師の仕事の範囲を指し,「専門化」とは,職能団体が社会に対して責任を持って行うことを宣言し,その仕事の質の保持に努めることを意味します.「日常診療の中で遭遇する貴重例」とは,看護師が仕事をする中で患者とのやり取りを通して遭遇する看護分野における貴重例を言います.この貴重例は,その現象そのものは他の分野からは見逃されているか,または問題として認識されないことであっても,看護学で新しい知識として構成されることによって意味が与えられます.この貴重例や現象を看護学における知識に変換するのが看護の研究活動であり,看護師が行うことは,労働や技術と言えます.看護師と患者とのやりとりは,看護学という学問分野の中枢を成し,意思の疎通を介して患者を観察または洞察することやお互いが持つ情報を交換することを指します.
研究仮説が患者の内的経験や患者の生活する社会での経験,または患者が置かれている施設や病院を通しての経験を踏まえたものであれば,その研究結果による知識は看護学に属します.そのため,学問を背景とする看護職能団体は,この知識を足がかりにして,専門性を宣言していくことが可能となります.
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