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日常診療で遭遇する可能性がある寄生虫症の検査
中村(内山) ふくみ
1
1東京都立墨東病院感染症科
pp.872-877
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003144
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文献検索の結果,最近の小児寄生虫症で最も多いのは,日本海裂頭条虫症である.この他,トキソプラズマ症,マラリア,アニサキス症,肺吸虫症など16の寄生虫症が報告されていた.
寄生虫症の診断に日常的に用いるのは,肉眼で確認できる寄生虫の同定,糞便検査,免疫診断である.肉眼で確認できる寄生虫は,形態および遺伝子検査で種の同定が可能である.糞便検査はヒト体内で腸管に寄生する原虫と成虫に発育する蠕虫の感染に有用である.虫体を遺伝子検査に提出するときはエタノールに固定し,便は冷蔵保存する.免疫診断では患者の症状,画像検査,患者背景と抗体検査の結果を合わせて総合的に判断する.免疫診断の利点と欠点を理解し,うまく活用することが重要である.
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