日本看護診断学会・第26回学術大会報告 【特別講演】
質の高い看護実践の基盤は臨床推論にあり
大西 弘高
1
Hirotaka Onishi
1
1東京大学医学系研究科・医学部医学教育国際研究センター医学教育国際協力学
キーワード:
臨床推論
,
診断推論
,
仮説演繹法
,
共同意思決定
,
省察的実践
Keyword:
臨床推論
,
診断推論
,
仮説演繹法
,
共同意思決定
,
省察的実践
pp.26-36
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004200056
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臨床推論は,「患者に生じた健康問題を明らかにし,解決するために,問題点を予測し,論じること」と定義される.前半の診断推論と,後半の治療・マネジメントの推論に大別され,大西は2017年これらを融合させた臨床推論の三層認知モデルを提唱した.
診断推論に関しては,最初は網羅的情報収集をするのが関の山だが,徐々に複数の仮説を想起しつつどの仮説が確からしいかを検証するための情報を追加で得るようにと臨床経験に応じて変化していく.治療・マネジメントについては,患者側に示した推奨案を共同意思決定するプロセスとなる.その後,症状等の変化により成否を判断し,臨床推論がうまく進んだかどうかを振り返ることができるようになる.
臨床推論にかかわる指導者は,これらの認知プロセスを理解し,特に後半については臨床上の理論的枠組みなどを用いて初学者の認知プロセスの変容を促すことで,指導を改善することが可能となる.
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