日本看護診断学会第15回学術大会報告 アセスメント能力を高める看護診断
【シンポジウム・1】
治し支える医療における看護師のアセスメントの意義
任 和子
1
Kazuko Nin
1
1京都大学医学部附属病院
1Kyoto University Hospital
キーワード:
急性期医療
,
アセスメント
,
インシデントレポート
,
退院支援
Keyword:
急性期医療
,
アセスメント
,
インシデントレポート
,
退院支援
pp.62-67
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100315
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私は,新規医療の開発,先進医療の実施,質の高い急性期医療を特徴としている大学病院の看護管理者としての立場から,本シンポジウムで,アセスメントに力点をおきにくくなりがちな現場の状況を「ピットホール」としてとらえた.その穴を小さくするための方略を示すために,まず京都大学医学部附属病院の入院患者の現況と入院時アセスメントの現状を示し,次に看護師のアセスメントの課題とそれに対する取り組みを述べた.ベッド回転率が高い繁忙な急性期医療の現場においては,適切な入院時アセスメントを行い,刻々と変化する患者状態を的確にとらえることが重要である.インシデントレポートをもとにした事例の分析をすることによって1つひとつの事象に対応する看護師の判断の質を上げることができるし,退院支援という概念での看護師間や他職種でのカンファレンスでの討議は,看護師が患者を生活する人として見る視点に立ったアセスメントの質を上げる方略となるといえるだろう.
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