日本看護診断学会第14回学術大会報告 看護診断をささえる中範囲理論
【教育講演】
3.発達
荻野 美佐子
1
Misako Ogino
1
1上智大学総合人間科学部心理学科
1Department of Psychology, Faculty of Human Sciences, Sophia University
キーワード:
生涯発達
,
獲得
,
喪失
,
エリクソン
,
レヴィンソン
Keyword:
生涯発達
,
獲得
,
喪失
,
エリクソン
,
レヴィンソン
pp.64-68
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100298
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人の発達は,一方向的なものではなく,獲得と喪失の両面性を常にそのなかに含みもっているものといえる.生涯発達をどのようにとらえるのかについては,時間軸のなかでの変化の方向性,機能の獲得や喪失などにより,6つのモデルを考えることができる.このなかの成熟モデルの1つであるエリクソンとレヴィンソンのモデルは,人の心について両価的視点をもっていることで共通しているといえよう.発達を両価的にとらえることは,発達における喪失の意味を考えることにつながる.人の生は,喪失を常に伴うものであり,喪失といった負の側面があるから,反語的ではあるがそこにプラスの意味も生じうるといえるだろう.生涯にわたり発達していく人をとらえる際に,その多面性に目を向けることはきわめて重要といえよう.
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