日本看護診断学会第9回学術大会報告 看護診断―看護の共通用語確立への貢献
【会長講演】
看護診断を支える看護過程論―看護過程成立の基盤となるもの
小田 正枝
1
Masae Oda
1
1西南女学院大学
1Seinan Jogakuin University
pp.16-23
発行日 2004年3月15日
Published Date 2004/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100163
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はじめに
近年,電子カルテシステムの導入をはじめとする情報システムの導入,コスト削減,医療および看護の質を保証するためのリスクマネジメント,医療倫理,そして情報システムの導入やコスト削減に必要とされる標準化の推進など,看護界をとりまく環境は著しく変化している.そして,これらの環境の変化は看護過程に影響を及ぼしている.このような環境の変化のなか,適切な看護診断を行うためには,臨床推論と臨床判断をバランスよく活用する能力が求められている.
今回,第9回の学術大会にあたり,看護診断をとりまく本質・原点を見つめ直す意味で「看護診断を支える看護過程論」を会長講演のテーマとした.特に,①看護過程の概念の発展,②看護過程成立に必要な知識基盤,③看護過程と看護理論・モデルとの関係,さらに④日本における看護過程教育の方向性という4つの視座に焦点を当てて述べてみたい.
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