病院史のひとこま
基準看護成立の周辺
金子 光
1
1前:東大・保健学科
pp.100
発行日 1972年3月1日
Published Date 1972/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204612
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昭和25年完全看護制度スタート
‘看護は看護婦の手で’というスローガンを発表し,それを実現するために,‘完全看護’とよばれる看護体制が病院につくられ,家族や職業付添人を廃止するようになったのは昭和25年であった.
‘完全看護’なら何でもしてくれるのだろう,食事のおぜんを運んでくれ,寒いのに便所に行くのはめんどうだ——便器を持ってきてくれ,顔を洗うからお湯を……などという要求が次々と出されて,ワザといやがらせをする患者もなかにはあらわれてきたりして,不完全看護ではないかと名誉を大いに傷つけるはめになったものである.
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