日本看護診断学会第8回学術大会報告 看護診断と情報科学―ケアとテクノロジーの出会い
【招聘講演】
1.看護診断の正確性―コンピュータによる文章化の基本
ライダー島崎 玲子
2
Margaret Lunney
1
1ニューヨーク市立大学ステイタンアイランドカレッジ
2青森県立保健大学
pp.64-70
発行日 2003年3月15日
Published Date 2003/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100142
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本論で示す考えは,患者が最善の健康状態を得る手助けをするという看護の焦点は,きわめて複雑なものであり,看護診断の正確性には,今までの看護教育や実践に含まれていたものより,さらに注意を要求されるという仮説に基づいています(Lunney, 2001).健康管理記録(health record)は世界的に紙媒体からコンピュータ利用に移行しつつあるため,本会議ではヘルスケアイベント(healthcare event)記録用としてのコンピュータ利用に焦点をおいてお話しします.
一般に,コンピュータシステムには少なくとも3つの看護要素を盛り込むことが重要であると考えられています.3つの看護要素とは,看護診断,看護介入,そして看護ケアに敏感に反応する患者の目標です.本論の目的は,a)コンピュータシステムにおける看護データの土台として看護診断の正確性の必要性を説くこと,b)症例研究により正確性低下のリスクを例証すること,c)7つの正確性レベルを説明すること,そしてd)診断を行う看護師(nurse diagnostician)に関連する,正確性に影響を及ぼす要因,特に批判的思考について説明することです.
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