Japanese
English
特集 コンピュータと脳
脳とコンピュータ
Computers and brain
北野 宏明
1
Hiroaki Kitano
1
1株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所
pp.3-9
発行日 2008年2月15日
Published Date 2008/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100142
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脳はコンピュータと対比して議論されることが多い。それは,コンピュータが情報処理を行う機械であり,脳も同様に情報処理を行うことを大きな特徴とした器官であるためであろう。また,脳研究の目標として,「脳型コンピュータ」を作るという目標を掲げるときがある。これが,研究者が本気で掲げている目標かというとかなり疑問である。応用面での成果を求められるので,仕方なくそのようなことを書かされているのが現状であろう。それはともかくとして,基礎研究の方法論として,「作ることによって理解する」,つまり,Understanding by Synthesisというアプローチがある。この場合,人間のような知能を有するコンピュータを作る挑戦の過程において,人間の脳の機能とそれを実現する機構の理解につながるであろう。脳科学はほとんどが基礎研究であるので,脳の機能を合成的手法も含むあらゆる方法論で理解するということが,重要であると考える。
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