Japanese
English
【調査報告】
2.血液透析患者の自己管理に関する動機づけの変化プロセス
The process of altering the motivation about self-management of the patients with hemodialysis treatment
山本 佳代子
1
,
奥宮 暁子
2
1国際医療福祉大学小田原保健医療学部看護学科
2帝京科学大学医療科学部看護学科
pp.66-72
発行日 2014年11月15日
Published Date 2014/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003200003
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
Ⅰ.はじめに
わが国では,透析導入年齢の高齢化や,糖尿病性腎症の増加,長期生存と合併症の多様化などに応じた透析患者に対する支援方法の開発が求められている1).そのなかで注目されているのが,患者が自分自身で行う体調管理を促す支援であるが,学問的にはパラダイムシフトしていても,実際には十分行われていないとの指摘もされている2).
こうしたなか,筆者らは自ら課題を選択して価値づけ,管理する動機づけである「自律的動機づけ」の高い患者では自己管理が良好であるという結果を得た3).これは,動機づけの状態が透析患者の自己管理維持にとって重要なことを示唆するが,この動機づけが長い経過のなかでどう変化するのかについては明らかにされていない.透析患者の心理については,透析療法に対する受容や拒否の心理の継時的な変化の分類はあるが4),導入後3年までを扱ったもので,腎移植や腹膜透析経験者も含む調査や5),保存期から導入期にかけての調査はみられるが6,7),血液透析患者の導入期から維持期,さらに長期療養中の変化を扱ったものはみられない.
以上から,本研究は透析患者の自己管理に関する動機づけの変化の過程と,動機づけの変化に影響する要因を明らかにすることを目的に実施した.
Copyright © 2014, JAPAN ACADEMY OF NEPHROLOGY NURSING. All rights reserved.