第11回日本腎不全看護学会・学術集会記録 【会長講演】
透析看護の質的転換―CKDの視点から
佐藤 久光
1
1増子記念病院
pp.4-7
発行日 2009年4月15日
Published Date 2009/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100509
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Ⅰ.慢性腎臓病(CKD)という腎疾患の概念の拡大
本学術集会のメインテーマは「腎不全患者の安全・安楽をどう考える?―感染予防等における看護師の果たす役割と責任」である.このテーマを選択した理由の1つは,近年,慢性腎臓病(CKD)という腎疾患の概念が拡大され,透析室で勤務する看護師の対象理解に質的変化が起こっているのではないかと考えたからである.
CKDという概念の導入は,保存期腎不全患者が透析導入に至らないよう予防的に対処するうえで重要な意義がある.ならば,すでに腎機能が廃絶した患者を看ている透析室に勤務する看護師にとって,これは無関係なことであろうか?CKDという概念の導入は,透析看護のこれまでのとらえ方に根本的な転換を迫るものであると私は考えている.つまり“チェンジ”が必要だと考える.
はなはだ僭越ではあるが,議論を深めるための叩き台として,この点について私見を述べる.
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