扉
発想の転換
田中 隆一
1
1新潟大学脳神経外科
pp.1409-1410
発行日 1986年11月10日
Published Date 1986/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436202313
- 有料閲覧
- 文献概要
日本海側の大雪はここ数年慢性的になったようで,過ぐる冬もまた例年より雪が多く,寒さも一段と厳しいものでした.雪に閉じ込められた北国の若者や子供達の楽しみは,何といってもスキーです.われわれの教室でもスキーは盛んで,看護婦さん達といっしょのスキー旅行は教室の年中行事の一つになっています.雪国に生れ育った私ですが,これまでなぜかスキーとは全く縁がありませんでした.ところが,教室の若い人達に尻を叩かれながらリフトに乗ってみて,雪山の美しさにすっかり魅了されてしまいました.雪のない季節に登ってみればどこといって特徴のない平凡な山々も,雪化粧によって秀麗を誇る嶺々に変貌してしまいますし,雑木の枝に咲く霧氷は青空に映えて美しく幻想的でさえあります.この自然の美しさを堪能したい一心で,私もスキーを始めました.
実践の前にまずは理論をということで,スキー入門書なるものに目を通しているうちに,スキー技術に関する興味ある記載が目に留りました.スキーを習い始めた人がとりあえず目標とするのは,スキーを平行に揃えたままでターンを行うパラレル技術ですが,パラレルに至るまでの基礎的な技術としては,スキーをV字状に開くシュテム技術が採用されています.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.