オピニオン
これからの検査部運営—量から質への転換
木口 良章
1
1八尾徳洲会総合病院検査部
pp.330
発行日 1999年4月1日
Published Date 1999/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906603
- 有料閲覧
- 文献概要
民間病院の技師長としてこのような場で意見を述べる機会を与えられ,これが何年か前であればよかったのにと思う.変化は緩やかであれば,それに順応することができるが,ドラスティックであれば多くの混乱と痛みを伴うものである.医療保険制度の改革が叫ばれている中,この変化は1987年に国民医療総合対策本部がまとめた“中間報告”が下敷きとなって始まっており,“質の良い”医療サービスを“効率的に”供給していくためのシステムづくりが,これからの医療改革の基本と記されている.何とか順応できた今までは,まだ緩やかな変化のときであり,21世紀に向けて,診療報酬支払い方式にも,出来高払いから疾患群別包括支払い方式(DRG)へと,急激な変化が起ころうとしている.今まで業務量を増やすことを考えてきた検査部にとって,検査数を必要最小限に抑えること,経営面から考えれば,できるだけ検査しないほうがよいとなると,今後の検査部運営をどうするか,その方法を真剣に考えている.
高度先進,急性期医療の現場において,臨床検査の必要性は今後とも変わることはないし,確定診断を行う客観的な情報としての重要性が失われるわけではない.しかし,今後どの病院でも高度先進,急性期医療ができるわけではない.医療施設機能の体系化が進んでいるのである.所属している病院が,どのような機能で今後の医療を展開しようと考えているのか,しっかりと把握する必要がある.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.