第13回日本腎不全看護学会・学術集会記録 【教育講演】
1.人生における家族の存在―家族看護を考える
小林 奈美
1
1北里大学看護学部
pp.23-26
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100439
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本稿は,11月13日(土)に行われた教育講演で話した内容の要点をまとめたものである.
Ⅰ.腎不全看護における家族支援に関する研究の動向
腎不全看護において,家族支援の実態がどのようなものか参考にするために,医学中央雑誌2005~2010年に収録(収録なので2004年発表が含まれる場合がある)されている論文を検索した.「家族」と「腎不全」のキーワードをかけ合わせ,原著論文に絞ると198件,「家族」と「腎不全看護」では6件が該当した.
198件の題目だけを概観すると,患者が小児である場合,退院指導・退院支援,人工透析導入時の指導・支援,判断力が低下,あるいは身寄りがないために支援が必要な高齢者に関するものが多い傾向があった.一方で,夫婦関係,家族関係,家族システムに焦点を当てたもの,あるいは家族の健康,家族の満足度に焦点を当てた論文は少ない傾向にあった.腎不全看護に限定した原著6件(表1)についても同様の傾向がみられたが,患者のQOLと影響を及ぼし合う存在としての家族を明らかにした研究が含まれている.具体的な支援法についても個性豊かな試みが発表されているが,家族や夫婦をシステムとしてとらえた理論を基盤として説明している研究は少ない傾向がある.
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