Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「コーダ あいのうた」—家族の中でひとりだけ耳が聞こえる子供の人生とは
二通 諭
1,2
1札幌学院大学
2札幌大谷大学
pp.793
発行日 2023年7月10日
Published Date 2023/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202886
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「コーダ あいのうた」(監督/シアン・ヘダー)は,フランス映画の「エール!」をリメイクしたもので,2022年第94回アカデミー賞作品賞,助演男優賞,脚色賞受賞作品である.本作の原題「CODA」は,“Child of Deaf Adults”の略語であり,聾者(聴覚障害者)の親をもつ子供のことを指す.このような境遇の子供にフォーカスするという課題意識,態度に拍手を送りたい.
舞台は,マサチューセッツ州の小さな漁港.ルビーは,女子高校生ながら家族が営む漁業を手伝わざるを得ない.というのも,自分以外の父,母,兄は聾者であり,家族の通訳者として必要不可欠な存在.ルビーは漁船においても貴重な労働力だが,それに加えてヤングケアラーでもある.
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