第8回日本腎不全看護学会・学術集会記録 【教育講演】
1.長期透析の病理変化と合併症―透析療法の限界と難問打開策
大平 整爾
1
1札幌北クリニック
pp.10-13
発行日 2006年4月15日
Published Date 2006/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100255
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Ⅰ.生体腎の機能と透析療法の限界
生体腎は,①体液の質的・量的恒常性の維持,②ビタミンDの活性化,③昇圧関連物質レニンの分泌,④造血因子エリスロポエチンの産生などの機能を休むことなく継続している.
透析療法は血液であれ腹膜であれ,①に関してはある程度の機能を果たしうるが完全ではなく,②,③,④の生体に必要な物質の転化や合成・産生はなしえない.②,④に関して薬剤による補充が可能となっているが,活性化ビタミンDの経口・静注製剤を得た今日でも,骨代謝および副甲状腺機能の正常化には著しい困難が伴う.溶質の除去に限界があるために,食事内容に種々の制限が加えられることになる.
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