【調査報告】
1.良好な自己管理のために有効な支援方法の検討
後藤 由香
1
,
渡部 さおり
1
,
栗田 みつ子
1
1北見循環器クリニック
pp.64-67
発行日 2003年11月15日
Published Date 2003/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100157
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Ⅰ.はじめに
血液透析患者の自己管理の良否は,合併症出現や生命予後に大きく関与するため,良好な自己管理が望まれる.慢性疾患をもつ患者は,セルフケア行動にて身体的・精神的症状が悪化しないように患者自身が自己コントロールすることが重要であるが,透析患者も同様であり,よりよい生活を送るためには,食事,薬物,運動療法などの治療的セルフケア行動の継続が重要となる.
当院では1999年より,慢性腎不全維持期から透析導入後1年間をクリニカルパス(以下,CPと略す)によるチーム医療にて患者指導を行っているが,それ以前の導入者やCP終了後の対象者に自己管理不良者がみられるのが現状である.それらの対象者に対し,食事,水分,内服管理の改善や運動療法の実践ができるよう個々の看護計画にてさまざまな援助を実践しているが,著しい効果が得られない対象者もいる.
そこで,良好な自己管理にて病状のコントロールと合併症の発症を最小限に予防でき,QOLの維持,向上がはかれるためには,どのような医療提供が有効なのかを検討することとした.その結果,良好な自己管理のためには治療的セルフケア行動支援の有効性が示唆されたので報告する.
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