第3回日本腎不全看護学会・学術集会記録 【一般演題:事例報告】
透析療法選択時の援助のあり方
佐久間 智子
1
,
村瀬 智恵美
1
,
西谷 佐智子
1
,
牧野 範子
1
,
茶円 美保
1
,
佐藤 昭子
1
,
岡山 ミサ子
1
1新生会第一病院教育訓練センター
pp.20-26
発行日 2001年4月15日
Published Date 2001/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100069
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
- サイト内被引用
はじめに
腎不全の透析療法の導入時期は,腎機能,臨床症状,日常生活障害度などを総合して決定している.詫摩は,蛋白・血尿が発見され,専門医や一般医に通院し,定期的にフォローされているのはわずか1/4で,ほとんどの患者は放置し,突然に慢性腎不全や透析療法の必要性を告知されると述べている1).そのため患者は心も身体も社会関係までも,十分に透析療法導入に向けての準備が整わずに不安定な状態で透析療法の選択が迫られる.
当院での透析療法選択の教育では,1998年以前は,医師からの依頼があった患者にのみ看護婦が指導していた.1999年より看護婦が患者のCrの値に合わせて,段階的に透析療法選択の教育を行うシステムに変更した.このシステムで教育を受けた患者のなかには,自分で気持ちが整理でき,透析療法の選択ができてた人もいる.しかし,透析療法選択が差し迫った状態(尿毒症期)で教育を実施した患者は,心が動揺し,透析療法選択がスムーズにできなかった2).
今回は,尿毒症期(Cr 8mg/dl以上)に透析療法選択の教育を実施した2症例に対し,透析療法選択時の看護婦のかかわりとその時期の患者の気持ちを分析し,透析療法選択における援助のあり方を検討した.
Copyright © 2001, JAPAN ACADEMY OF NEPHROLOGY NURSING. All rights reserved.