特集 思春期保健
10代の"性"に対する理解と援助のあり方
河野 美代子
1
1広島県あかね会土谷総合病院産婦人科
pp.459-465
発行日 1988年6月10日
Published Date 1988/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207547
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はじめに
若者の性—とりわけ,10代の性が,その人工中絶数の増加に伴い,わが国の社会問題とされて久しい。表1のごとく,10代女性の出生数は徐々に増えているのに比し,人工中絶数は1975年からの10年間で,2.5倍近くも増加している。
10代の妊娠は,そのほとんどが未婚であり,また高学歴化に伴い,在学中の者も多く,ゆえに社会的・経済的基盤が弱く,望まれ,祝福されての妊娠・出産とはなりがたい。妊娠した本人をはじめ,相手の男性,周囲の大人達の間に,さまざまな葛藤,確執を起こす。
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