【実践報告】
1.透析患者の疼痛に対する低周波治療器の有用性―運動器系の疼痛緩和への援助
山内 要
1
,
安藤 美穂
1
,
加藤 明美
1
,
平嶋 由美子
1
,
倉田 京子
1
,
江崎 眞知子
1
1名古屋記念財団金山クリニック看護部
pp.73-76
発行日 2000年10月15日
Published Date 2000/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100055
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はじめに
長期透析療法に伴う骨関節合併症は,患者のADLを縮小しQOLを低下させる重要な要因となる.その病態は疼痛を生じることが著しく,患者にとって深刻な合併症の1つである.当院でも長期透析患者にかぎらず,糖尿病の合併症による下肢痛など多彩な運動器系の疼痛,痺れを訴える患者が多い.当院の透析患者における運動器系の疼痛についてのアンケート結果では,透析中や夜間就寝時に症状が増強すると回答した患者が有症者の25%,常時と回答した患者は13%であった.これらの訴えに対し,従来は湿布,保温などで対応していたが,サテライト透析施設である当院で,透析中に行える,より効果的な鎮痛対策が必要と考えた.そこで,物理療法でも使われる低周波治療器に着眼し,導入した.
低周波治療とは皮膚に置いた電極を通し,周波数1,000Hz以下の低電圧電気を流す方法で,通電による筋の収縮が血流改善を促し,鎮痛効果をもたらすとされている1).また,1~200Hzの電気刺激は筋・骨系の疼痛のほか,糖尿病性ニューロパシーや下肢の慢性虚血性疼痛にも有効とされている2).
今回,低周波治療器と従来の鎮痛対策を比較・検討した結果,低周波治療器に有意な差がみられたので,その結果を報告する.
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