【実践報告】
2.ADL拡大に向ける意欲を探る―右片麻痺のある患者とかかわって
平手 清子
1
,
酒井 安子
1
,
立松 宣子
1
,
宮下 美子
1
1名古屋クリニック
pp.77-81
発行日 2000年10月15日
Published Date 2000/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100056
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はじめに
透析療法の進歩する一方で,患者の高齢化が進み重度の障害をもつ患者が増加している.平方1)は透析患者の脳血管障害に関する研究で「1996年一年間の透析患者の脳血管障害発症における生存例で,71%が外来通院可能まで回復しており,そのうちの48%の患者が介護不要である」と報告している.また意欲を高める研究のなかで,自立への意欲が低い患者に関する研究はなされているが,高い患者に関するものはあまりない.当院では,脳出血を起こし片麻痺となった患者が,高い目標を立て,自ら積極的にリハビリに取り組んだ結果,単独通院が可能となり,日常生活を意欲的に送っている例がある.この患者は,看護士が自立への意欲を高めるべき働きを行うより早くADLが広がっていき,自らの体力を超えた活動をしつつあり,再出血を起こす可能性もあると考えられた.この患者のやる気=意欲はどこからくるのだろう.この疑問から意欲の要因について分析し,援助していった結果を報告する.
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