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1884年,Bullarら1)は呼吸音の研究報告において呼吸器系が一種の音響回路と考えられることを示唆したが,現在までにFahr2)やMckusickら3)およびLeblancら4)が同様な観点に立脚して呼吸音の解析を行っている。これらの研究者達が指摘しているように,呼吸器が一種の音響回路であり,各種の肺疾患でその音響特性が変化するものであるならば,音は当該システム解析の有効な手段となり,音を利用した呼吸系の計測は肺疾患の診断に有益な情報を提供することが期待される。また本法は簡便,非観血的で被験者に苦痛を与えないなど多くの利点を秘めながら,その臨床応用の可能性についての報告は,未だなされていない。このような観点から,近年著者達は肺疾患の判定に低周波音を利用する計測法の開発に取り組んでいるが5,6),その基礎研究の結果,200Hzの音を口腔から被験者に与え,胸壁上に置かれたマイクロホンで気道系を伝播してきた音を検出することにより,一回換気量および機能的残気量の変動を連続記録することが可能であるとの結論を得た。また音の伝播特性の解析結果から,気道抵抗を二次的に推定する方法の可能性を示唆した。
This paper describes an application of the acoustic method to volumetric study of respiration. The preliminary experiment showed that the low frequency sound of 200 Hz was appropriate to record the respiratory movement. The sound of 200 Hz generated by a speaker was transmitted into the respiratory system from the mouth and the transmitted sound was detected by a PCG microphone on the chest wall through the thoracic cage.
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