【事例研究】
不穏状態を呈する血液透析患者の看護―在宅生活にむけた家族への支援
清水 伊津美
1
,
城平 佳子
1
,
薮内 多津子
1
,
三宅 和代
1
,
高橋 妙子
1
,
佐藤 譲
1
1佐藤循環器科内科
pp.53-58
発行日 2000年10月15日
Published Date 2000/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100052
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はじめに
近年,透析患者の高齢化は年々進み,同時に核家族化・少子化から,1人暮らしあるいは同居者も高齢である,いわゆる高齢者世帯が増加している.これらから,多くの問題が生じている.たとえば,治療目的の入院よりも,むしろ日常生活や通院困難などの理由で社会的入院を余儀なくされるケースが増加してきている.一方,透析医療も延命からQOLの向上へと,医療の質が変化してきた.今回私たちは,老人性痴呆により不穏状態を呈する入院透析患者が,精神的看護を行うことにより精神状態も安定し,在宅生活に向けて家族を支援したことによって外来透析に移行でき,さらに「住み慣れたわが家で暮らし続けたい」という患者の希望を満たすことにより,QOL向上へと結び付いた症例を報告する.
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