第25回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 教育講演4
認知機能障害を考慮した高齢者糖尿病の療養指導
荒木 厚
1
Atsushi Araki
1
1東京都健康長寿医療センター糖尿病・代謝・内分泌内科
1Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital
pp.73-78
発行日 2021年3月31日
Published Date 2021/3/31
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高齢者糖尿病では認知機能障害・認知症をきたしやすく,高血糖,重症低血糖,身体活動量低下,低栄養,孤立が危険因子となる.記憶障害,手段的ADL低下,セルフケアの低下などを手がかりとし,認知機能の評価を行う.療養指導においては食事,運動,社会参加などのフレイル対策を行う.食事療法では適正なエネルギー量や十分なたんぱく質,ビタミンの摂取を勧め,食品の多様性を増やすように指導する.運動療法では坐位時間を短くし,レジスタンス運動を含む多要素の運動を行う.薬物療法では介護者にも低血糖・シックデイ対策を指導する.アドヒアランスの低下がある場合には,治療の単純化を考慮し,服薬環境を整える.行動・心理症状(BPSD)を防ぐために多職種のチームで関わり,介護者の負担を軽減することが大切である.
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