第25回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 教育講演5
ベナー/ルーベルの現象学的看護論における患者の「病い」体験の理解
音喜多 信博
1
Nobuhiro Otokita
1
1岩手大学人文社会科学部
1Iwate University, Faculty of Humanities and Social Sciences
pp.79-82
発行日 2021年3月31日
Published Date 2021/3/31
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I.はじめに
近年,哲学の一流派である現象学を応用した現象学的看護研究は,さまざまな分野で成果をあげつつある.現象学的看護論の目指すところは,患者が病気とその治療をどのように体験しているかを忠実に記述し理解することである.一方で,自然科学的な医学研究の風土で育成されてきた医療者の方々にとっては,現象学はなじみにくい領域でもあろう.そこで,本稿では,現象学的な看護研究の代表的な成果のひとつであるP・ベナーとJ・ルーベルの共著『現象学的人間論と看護』(原著:The Primacy of Caring:Stress and Coping in Health and Illness)に的を絞って,現象学的な看護研究の基礎的な考え方について入門的な紹介をさせていただきたい1).
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